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「将来有望な資格」 「開業すれば高収入」 の真実

 大企業に勤めていても生涯安泰とはいかなくなった現在,行政書士や社会保険労務士など,独立開業が可能な国家資格,いわゆる『士業』の人気はますます高まっています。

 世に出回っている「資格本」や受験機関の案内にも,

 「○○士に対する社会的ニーズは高まる一方」
 「開業者の平均年収は1千万円以上」

など,威勢のいい言葉が踊っています。まるで試験に合格して開業すれば,だれもが自ずと高収入を得られるかのようです。高い競争率を猛勉強の末に突破して初めて得られる難関資格ですから,そのような情報を鵜呑みにしてしまうのもムリはありません。

 しかし,確かに非常に成功している開業士業者がいる一方で,思うような売上が上がらずに廃業していく開業士業者もまたたくさんいることは紛れもない事実です。そして,やっかいなことにそうした事実はあまり表に出てきません。

 士業での開業を考える時に決して見落としてはいけないことは,税理士であれ社会保険労務士であれ,士業の置かれている環境が想像以上に厳しくなりつつあるということです。長引く不況のおかげで,開業士業者の顧客となる企業はその数を減らしており,存続している企業もサイフの口が堅くなっています。

 その一方で高まる士業人気のために合格者は増え続け,開業士業者は明らかな供給過剰に陥っているのです。さらに,IT化の進展で公的事務手続が容易になり,手続業務の専門家としての開業士業者への依頼ニーズが先細りになることは容易に予想できます。

 従来の環境であれば,特別な工夫がなくても「地道にがんばっていれば」「○年我慢すれば」食べられるようになれたかもしれません。しかし,これからの開業士業者は,時代に合った効果的な戦略に基づいた営業活動を行わない限り,人並みの生活レベルを維持することはもちろん,事業を維持することすら困難になるのです。

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